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 計算結果の見方 低たんぱく低リン食 - 犬

 腎臓疾患用推奨量

「小動物の臨床栄養学」の腎疾患の推奨量とロイヤルカナンの腎臓サポートの成分値をまとめてみました。

腎臓疾患用推奨量

犬の腎臓疾患のページもご覧ください。

 腎臓疾患 ー 犬

 動作確認テストで完成させたレシピ

動作確認テストで完成させたレシピを使って、計算結果の見方を説明します。
こんなレシピでした。400kcal1日分で作っています。
このレシピを元に考えたい場合、例えば 200kcalの「ごはん」にしたい場合は、全部の食材・サプリメントの量を半分にします。
できれば3日〜1週間分くらいを、全部ではなくても一部分でも、まとめて作ると楽ですね。

完成させたレシピ

「豚・もも皮下脂肪なし」は、「筋間脂肪」のみがついている部位のことです。「まぎらわしい食品名・用語」のイラストをご覧ください。

「かつお・なまり節」については、「まぎらわしい食品名・用語」、あれこれの「穀類いろいろ」、「マンガン」をご覧ください。

使用しているサプリメントは、カルシウム、亜鉛、ビタミンE、魚油、食物繊維、鉄です。「サプリメントの購入先」をご覧ください。


ちょうど400.0kcalにしたくて、炊いたご飯の量を101gと中途半端な量にしてしまいました。カロリーの微調整は、ご飯か野菜でするといいです。


 総重量〜エネルギー

エネルギー密度

このレシピのエネルギー 400.0kcal で 1.0日分
エネルギー密度は、4.25kcal/g。ロイヤルカナン腎臓サポートのエネルギー密度は4.38〜4.93kcal/gDMと、もっと高いので、もう少し高めに作ってもいいかもしれません。

エネルギー密度とは、乾燥重量1gあたりのエネルギー(カロリー)のことです。
脂質の割合が多いほど、エネルギー密度は高くなります。

DM(Dry Matter)は乾燥重量、/DMは乾燥重量あたりの意味です。

数値はすべて四捨五入しています。見えている部分だけで計算すると、結果が合っていないことがあります。もっと下の桁まで見たい場合は、見たいセルをクリックして、下のボタンをクリックしてね。(ホームタブの数値グループの中にあります)

ツールバーの小数点以下桁数


 たんぱく質〜リン


タンパク質〜リン

タンパク質〜リンまでは、AAFCO基準、老齢犬の推奨量(%)・腎臓疾患用推奨量(%)と比較しますが、腎臓疾患用推奨量を優先します。
AAFCO基準は、400.0kcalの場合の最小値と最大値を示しています。

■ たんぱく質
14.4g摂れていて、 乾燥重量あたり15.3%です。
腎臓疾患用推奨レベルの15.0%を超えているので、赤字になっています。
AAFCO基準400.0kcalの場合の最小値 18.0g を摂れていないので、これも赤字になっています。
腎臓疾患用推奨量14.5〜15.0%にすると、AAFCO基準の最小値以下になるということです。
ロイヤルカナン腎臓サポートでは、乾燥重量あたり13.8%〜15.9%です。

アミノ酸の「メチオニン・シスチン計」がAAFCO基準の最小値に足りていませんが、「小動物の臨床栄養学」にょると、含硫アミノ酸(メチオニンとシスチン)などの食事中の酸を抑えることが勧められています。

たんぱく質を減らすよりも、増やす方が簡単だと思うので、15.0%に近いレシピを紹介しています。たんぱく質をどこまで制限するかは、腎疾患の進行度合いによると思いますので、獣医さんと相談なさって決めてくださいね。

下の方に、たんぱく質をAAFCO基準の最小値ぎりぎり摂れるように作ったレシピを紹介しています。

■ 脂質・可溶性炭水化物・食物繊維
脂質は19.7g摂れていて、 乾燥重量あたり21%です。
老齢犬用の推奨量15.0%を超えているので赤字になっていますが、たんぱく質を減らした食事は、脂質と炭水化物の割合が多くなります。ロイヤルカナン腎臓サポートをみても、脂質は19.9〜26.5%と多いです。

可溶性炭水化物は58%です。もっと増やして脂質を下げることもできますが、総重量が多くなり、食べられないかもしれません。

腎疾患において、可溶性繊維(水溶性繊維)は大切なようです。
「可溶性繊維は、尿素の糞便中排泄を増加させ、血清尿素窒素濃度(BUN)を低下させ、尿からの尿素排泄を減少させる効果がある。」(小動物の臨床栄養学より)
「可溶性炭水化物」は炭水化物と可溶性繊維の合計なので、「データ」シートをみると、可溶性繊維は5.4gです。そのうち、4.2gは「イージーファイバー」で摂っています。
このレシピの食物繊維総量は8.3gです。ロイヤルカナンでは、食物繊維は400kcalあたり4.8〜8.1gで、これが食物繊維総量だとすると、ほぼいい感じではないかと思います。
イージーファイバーには、食物繊維以外のものが入っている種類がありますが、食物繊維だけのものを使ってください。

■ ナトリウム
92mg摂れていて、乾燥重量あたり0.10% です。
腎臓疾患用推奨量0.10%が赤字になっているのは、小数点第3位以下で足りていないからです。AAFCO基準400.0kcalの場合の最小値 80mg を摂れているのでいいのではと思います。
「たまりしょうゆ」1gを入れなければ、0.04%になります。ピトケアンさんは、天然醸造の醤油として「たまりしょうゆ」を勧めています。

■ カリウム
465mg摂れていて、乾燥重量あたり0.493% です。
腎臓疾患用推奨量0.3%〜0.5%の範囲内です。
「低カリウム血症」「高カリウム血症」どちらも起きる可能性があるそうで、「血清カリウム濃度を調べて対応すること」とありました。カリウム量の調整は獣医さんと相談なさって決めてくださいね。
「かぼちゃ」と「にんじん」を足して「炊いたご飯」を減らせばカリウム量は増やせます。

■ カルシウムとリン
リンは0.27%で腎臓疾患用推奨量015〜0.30%の範囲内です。AAFCO基準の最小値400mgを摂ると0.3%を超えますので、腎臓疾患用推奨量を優先します。
このリンの量に合わせて、サプリメントを使って、カルシウム:リンを1.2:1〜1.4:1にします。カルシウム330mgのうち、272mgをサプリメントで補っています。
AAFCO基準の最小値500mg、老齢犬用の0.50%に足りていないので赤字になっていますが、 カルシウム:リン比を優先します。

■ マグネシウム
73mg摂れていて、AAFCO基準の最小値60mg以上です。
リンをおさえつつ、マグネシウムを摂るのはむずかしかったです。「アマランサス」と「ごぼう」で48.6mg摂っています。


 鉄〜マンガン

鉄より下の行は、AAFCO基準と比較します。

鉄〜マンガン


■ 鉄
「犬の腎疾患」のページの下の方、「犬と猫のための手作り食」によると、「腸の吸収が減少し、尿中へのロスが増えるため、鉄と亜鉛は欠乏する可能性がある。慢性腎臓病はしばしば貧血の原因となるので、鉄分の添加はある程度有益である。」とあります。
ロイヤルカナン腎臓サポートの鉄の量は、400kcalあたり9.5〜14.0mgです。ただ、このフードは、AAFCO2016ではなく、古い基準で作られているかもしれないです。古い基準では、鉄の最小値はAAFCO2016の2倍以上あります。これらのことを考えると、どのくらいが適切なのかがわかりませんでした。
7.8mgのうち、4.5mgをサプリメントで補っています。獣医さんと相談なさり、血液検査などから適正量を探してください。

■ 亜鉛
8.4mgのうち、5.5mgをサプリメントで補っています。食品から摂るのはあきらめて、サプリメントを使いましょう。

■ 銅
0.81mgのうち、0.42mgを「牛・肝臓」から摂っています。

■ マンガン
1.10mgのうち、0.61mgを「アマランサス」から摂っています。


 ビタミンA〜ビタミンK

ビタミンA〜K

■ ビタミンA
犬はβカロテンをビタミンAに変換できるので、レチノール当量とAAFCO基準を比べます。
ビタミンA(レチノール当量)は、3779IU 摂れていて、AAFCO基準400.0kcalの場合の最小値 500IU の約7.6倍です。最大値は24998IUで最小値の約50倍ですので、この量でも大丈夫ではないかと思います。ピトケアンさんの「イヌの健康ガイド」には、「腎臓によいビタミンAをたっぷりと与えること」とあります。

レチノール量の比較表です。

レチノール比較表

このレシピでは、レチノール源として、銅の多い「牛の肝臓」と鉄・亜鉛の多い「豚の肝臓」を使っています。
「鶏の肝臓」は、レチノール量は最も多いですが、鉄・亜鉛の量が豚より少ないです。
「鶏の筋胃」は砂肝と呼ばれるもので、栄養的には劣ります。

■ ビタミンD
57IU のうち、約50IUを「かつお・なまり節」から摂っています。
最大値は、最小値のわずか6倍です。過剰摂取にならないよう気をつけましょう。

■ ビタミンE
54.3IU のうち、50IUをサプリメントで補っています。ロイヤルカナン腎臓サポート400kcalのビタミンE量は、59.6〜60.5mgで、フードの場合の換算方法がよくわからないんですが、1mg=1IUだとすると、59.6〜60.5IUとなります。これを参考にしました。ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、毎日摂るのではなく、まとめて摂ることができます。このレシピでは1錠100IUのサプリメントを使っているので、2日に1回1錠という与え方になります。

■ ビタミンK
50μg 摂れています。
AAFCO基準の設定はありませんが、疾患によっては、しっかり摂った方がいい場合があります。詳しくは「ビタミンK」のページをご覧ください。

 わんにゃんの栄養「ビタミンK」


 ビタミンB群・ビタミンC

ビタミンB

■ ビタミンB
ビタミンB群は、すべてAAFCO基準400.0kcalの場合の最小値を摂れています。
ビタミンB1を摂りたくて「豚・もも皮下脂肪なし」を使いましたが、ぎりぎりです。
「小動物の臨床栄養学」によると
・腎不全の動物は食欲が減退し、嘔吐、下痢、多尿などもあるため、ビタミンB群が欠乏しがちである。
・腎不全では、チアミン(B1)とナイアシンの欠乏から食欲不振が起こる可能性もある。
とあります。
サプリメントを使うことを考えた方がいいと思いますが、腎不全の場合の推奨量がわかりません。また、ロイヤルカナン腎臓サポート400kcalあたりのビタミンB群の数値が何のことかわからないです。B1、B2・・・それぞれを5.80〜6.98mgという意味でしょうか。
水溶性で毒性はほとんどないので、「ビタミンB群」のページを参考にして決めてくださいね。

 わんにゃんの栄養「ビタミンB群」

■ ビタミンC
ビタミンCもサプリメントで補った方がよさそうです。ロイヤルカナン腎臓サポート400kcalあたりのビタミンC量20.1〜31.0mgを参考にしましょう。


 脂肪酸

脂肪酸

「小動物の臨床栄養学」によると、「慢性腎不全の犬猫に対する最適な脂肪酸濃度と脂肪酸組成はわかっていないが、現在入手できるデータによれば、n-6:n-3=2.5:1未満が妥当なようである」とあります。
また、ロイヤルカナン腎臓サポート400kcalあたりでは、EPA+DHAが358〜474mgとなっています。
これらを参考に、このレシピでは、魚油のサプリメントでEPA+DHAを275mg補って295mg摂れており、n6:n3 は、2.3:1です 。
このレシピ(400kcal)では魚油のサプリメント1錠を使っています。1日に1回、食事と一緒に与えます。400kcalのレシピで1錠ですから、もっと少ないカロリーで作る場合は、穴を開けて中身を絞り出して与えることになりますね。非常に酸化しやすいので、穴を開けたものはとっておかず、人間のお口に入れましょう。

AAFCO基準の最大値 30:1は、(リノール酸+アラキドン酸):(αリノレン酸+EPA+DHA)の最大値で、このレシピでは (3425+53):(1147+295) = 3478:1442 ≒ 2.4:1で問題ありません。


 ヨウ素〜ビオチン・タウリン

ヨウ素〜ビオチン

ヨウ素、セレン、ビオチンは、七訂食品成分表で、未測定の食品が多いです。

■ ヨウ素
136μg のほとんどを「ほしひじき」から摂っています。
魚介類や卵類にもヨウ素は含まれていますが、測定されていない食品もあり、「かつお・なまり節」も測定されていません。
「ほしひじき」で最小値を摂っておいて、他の食材でもう少し増えるかもしれないという感じにしたらいいのではと思います。
藻類は注意しないとすぐに最大値を超えてしまいます。詳しくは「ヨウ素」のページをご覧ください。

 「わんにゃんの栄養」ヨウ素

■ セレン
16μg 摂れていますが、AAFCO基準400.0kcalの場合の最小値 32μg に足りていないので赤字になっています。
セレンは、七訂食品成分表では測定されていないものが多いので、正確には計算できませんが、「かつお・かつお節」には100gあたり320μgと、最も多く含まれています。「かつお節」とは、かたまりのもののことです。「かつお・なまり節」は未測定ですが、セレンが含まれているはずなので、もっと摂れていると思われます。

■ タウリン
犬にとって、タウリンは必須アミノ酸ではありませんが、ロイヤルカナン腎臓サポートには、400kcalあたり190〜500mgのタウリンが含まれています。心疾患を併発している場合を考慮したものだと思われます。獣医さんと相談なさってください。



 (参考)たんぱく質をAAFCO基準最小値ぎりぎりにしたレシピ

ぎりぎりレシピ


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