NRC2006年版(犬、猫)
NRC(2006)の基準は、
・維持期の成犬の必要量は1日の代謝エネルギーが1000kcalの15kgの成犬
・維持期の成猫は1日の代謝カロリーが250kcalである4kgの成猫
に基づいて設定されました。
基準には、次の3種類があります。
■ 体重ベース
体重ベースと言っても、体重そのものではなく、
犬の場合 (体重の0.75乗)
引き締まった体の猫の場合 (体重の0.67乗)
肥満傾向の猫の場合 (体重の0.4乗) によって変化します。
犬の(体重の0.75乗)、猫の(体重の0.67乗)を、代謝体重と呼ぶそうです。
2002年の研究で、多くの栄養必要量と維持エネルギーの必要量は、代謝体重によって変化することがわかったそうです。
(体重そのもの)を基準とする場合は、補正が必要だそうです。
■ カロリーベース
1日の摂取カロリーが、
犬の場合 (体重の0.75乗)×130kcal
猫の場合 (体重の0.67乗)×100kcal と想定しています。
1日の摂取カロリーは、維持期の成犬の場合 体重が4〜60kg、維持期の成猫の場合 体重が2.5〜7kgの飼い猫のデータを元にしています。
■ 乾燥重量ベース
上の推奨カロリーを摂取し、そのフードのエネルギー密度が 4kcal/g である時の基準です。
3種類の基準の中で、一番条件が多くなります。
犬の場合、体重が4〜60kgで、エネルギー密度が4kcal/gのフードを1日に(体重の0.75乗)×130kcal摂取する、
猫の場合、体重が2.5〜7kgで、エネルギー密度が4kcal/gのフードを1日に(体重の0.67乗)×100kcal摂取する
のであれば、3種類どの基準を使っても、各栄養素の推奨量は同じになります。
この3種類の基準のそれぞれに、Minimal Requirements、Adequate Intake、Recommended Allowance、Safe Upper Limit の4つの数値が載っています。
■ Minimal Requirements (MR) : 最少必要量
今の健康状態を維持するのに必要な、または体内で利用されるべき最低量
■ Adequate Intake (AI) : 適切な摂取量
MRが示されていない場合には、これが設定されています。
■ Recommended Allowance (RA) : 推奨量
RAは、MRまたはAIに生体利用率が加味されています。生体利用率が不確かな栄養素に関しては安全率を含んでいます。
■ Safe Upper Limit (SA) : 安全上限値
犬猫に害のない最大限の栄養濃度。SAが設定されているものは少ないです。
SAが設定されていないものは、どんなに多量に与えても安全だという意味ではなく、犬や猫に対する毒性の情報が不足しているためです。
わんにゃんテーブルでは、Recommended AllowanceとSafe Upper Limitを使っています。