わんにゃんテーブル

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 ビタミンA

 レチノールとカロテノイド

ビタミンAの化学名をレチノールといいます。
レチノールは動物性食品にだけ含まれていて、すでにビタミンAの形になっています。

もうひとつ、プロビタミンA(ビタミンAの前駆体)と呼ばれているものがあります。
β カロテン、α カロテン、クリプトキサンチン
などのカロテノイドです。
カロテノイドは自然界に500種類以上が知られている橙色や黄色の色素です。植物性、動物性食品の両方に含まれています。
そのうち約30種類のカロテノイドは、ヒトの体内で一部がビタミンAに変換されます。
ビタミンAに変換されないカロテノイドで有名なものには、リコペンやルティンがあります。

ビタミンAは脂溶性で、体内にためておくことができるので、毎日補給する必要はないそうです。
わんにゃんにも、週1回補給する というのでもいいんですね。

 当量(μg)

食品成分表では、β カロテン、α カロテン、クリプトキサンチンの3つを測定しています。
食物から摂取するカロテノイドの90%はβ カロテンで占められているそうです。
α カロテン、クリプトキサンチンは、β カロテンの半分しか働いてくれません。

αカロテン、クリプトキサンチンは、1/2

β カロテン当量というのは、β カロテン、α カロテン、クリプトキサンチンの3つを合わせた効力(働く量)を、βカロテンの効力に置き換えたもの。

βカロテン当量

式であらわすと、
β カロテン当量(μg)=β カロテン(μg)
            + 1/2α カロテン(μg)
            + 1/2クリプトキサンチン(μg)

また、β カロテンは、12分の1しかビタミンAとして働きません。

βカロテン当量は1/12

レチノール当量というのは、β カロテン当量、レチノールの2つを合わせた効力(働く量)を、レチノールの効力に置き換えたもの。

レチノール当量

式であらわすと、
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)
              + 1/12β カロテン当量(μg)

レチノール当量(RE)と表記されていることもあります。

五訂食品成分表では、6分の1で計算されていましたが、五訂増補食品成分表では、12分の1に変更されました。
これは、野菜などのカロテン量が減ったわけではなくて、ヒトの体の吸収率を見直したからだそうです。

 IU(国際単位)

ビタミンAをあらわすのに、もう一つ「IU」(アイ・ユー)International Unitというのがあります。
これは、ビタミンAの効力をあらわすものです。
上の説明の当量(μg)では、単純にμgを足し算できませんでした。それは、効力(働き具合)が違うから。

レチノールは、大人
βカロテンは、中学生 (レチノールの1/12しか働かない)
αカロテンとクリプトキサンチンは、幼稚園児
   (βカロテンの1/2=レチノールの1/24しか働かない)

と、イメージしてみてください。

大人(レチノール)が1人で、本箱1個を作りました。
中学生(βカロテン)は、12人で本箱1個を作りました。
幼稚園児(αカロテン・クリプトキサンチン)は、24人で本箱1個を作りました。

この本箱が、IU にあたると考えてみましょう。ビタミンA効力のことです。
本箱は、誰が作っても、1個、2個と数えられます。
つまり、レチノールやβカロテンの IU は、足し算ができます

食品成分表では、どうやらレチノール:1IU=0.3μgとしているようなので、ver.4ではこれに合わせて換算することにします。

式であらわすと

βカロテン当量

この式は、食品の場合です。
サプリメントの油溶化βカロテンは、2μg=1μgRE(レチノール当量)となるそうです。
また、サプリメントにビタミンA○○IU と書いてあっても、それがレチノールなのか、βカロテンなのかが明示していない場合もあるかもしれません。その場合は、メーカーに尋ねた方がいいと思います。

■ 練習問題 ■
レチノールとカロテンが両方入っている食品ってあまりないんですね。
探してみました。「しじみ」です。

βカロテン当量

これを、上の式で計算してみましょう。
食品成分表の数値は四捨五入されているので、IUを足し算しても、結構誤差がありますね。

 レチノールでビタミンAを摂るべきか

猫の場合、カロテンをビタミンAに変換する酵素を持っていないので、レチノールで摂らなくてはなりません。

人間の場合、ビタミンAはβ カロテンの形で摂ることが望ましいそうです。なぜなら、すでにビタミンAの形になっている動物性食品のビタミンAは、摂りすぎた場合は毒性をもつことがありますが、β カロテンは体内で必要なだけビタミンAに変換されるので摂りすぎの心配がないからです。

犬の場合、カロテンをビタミンAに変換できるそうですが、「ヒトの体の吸収率が悪くなった」のなら、犬の体ではどうなんでしょう?

 どのくらいまでなら、多くてもいいのか・・・犬の場合

レバーの量を増やせば、鉄や銅、ビタミンB群もしっかり摂れるし、たくさん使いたくなりますね。でも、犬は、カロテンをビタミンA変換できるということですし(人間と同じくらい変換できるかどうかはわかりませんが)、多すぎると毒性を持つレチノールを、毎日摂取続けてもいい量というのはどのくらいでしょうね。

「各基準の上限量は推奨量の何倍になっているか」を見てみると、参考になるかもしれません。成犬維持期の基準です。

  推奨量上限量  
AAFCO (1999) 142971429 上限量:推奨量の50倍
NRC (2006) 114848480 上限量:推奨量の42倍
CVMA (1993) 143010600 上限量:推奨量の7.4倍
 単位:IU/1000kcal(代謝カロリー)  CVMA:カナダ獣医医療協会

推奨量は大きな差はありませんが、CVMAでは上限量は推奨量の7.4倍となっています。
上限量というのは、これ以上は危険という量です。
あなたのレシピでは、何倍になっていますか?

AAFCOでは、
「犬に対するビタミンAの有害性はほとんど報告されていない。
成犬に6ヶ月にわたって、40万IU/kg(乾物量)を与えた研究では、何の影響も現れなかった。
成犬に1年にわたって、22万5000IU/1000KcalMEを与えた研究でも悪影響は現れていない。」としています。

「市販フードは安価な内臓肉を使うため、ビタミンAは多くなってしまう」という意見もあります。

動作確認テストで完成させた「説明用レシピ」では、基準のビタミンA推奨量を少し上回るくらいの量を、レチノールで摂っています。

こうすると、ビタミンAの必要量はぎりぎり摂れたわけで、体がもっとビタミンAを必要としていれば、カロテンがビタミンAにいくらかは変換されるでしょうからそれに期待して、もう体がビタミンAを必要としていなければ、カロテンはカロテンのまま体にいいことをしてくれるそうです。

 どのくらいまでなら、多くてもいいのか・・・猫の場合

各基準を見てみましょう。成猫維持期の基準です。

  推奨量上限量  
AAFCO (1999)1250187500上限量:推奨量の150倍
NRC (2006)75875750上限量:推奨量の100倍
CVMA (1993)250021750上限量:推奨量の8.7倍
 単位:IU/1000kcal(代謝カロリー)  CVMA:カナダ獣医医療協会

犬の場合と違って、推奨量に差がありますね。
CVMAの推奨量は、AAFCOの2倍、NRCの約3倍。
ドイツの資料(1986)では、体重1kgあたり500〜700 IUという基準もあります。
う〜ん、幅がありますねえ。うちでは、1週間で10000 IUを目安にしています。。。

 レチノールの多い食品

わんにゃんテーブル「成分表」の食品のうち、レチノールの多いもの上位18食品です。

レチノールを多く含む食品

犬の「説明用レシピ」では、牛の肝臓を使いました。猫の「説明用レシピ」では、鶏の肝臓と牛の肝臓を使いました。
肝臓は解毒器官ですから、からだの毒素がたまっていると言えるかもしれません。できるだけ質の良いものを使いたいですね。あ、ブランド牛やブランド鶏という意味ではありませんよ。
それでも「レバー」には抵抗があるという場合は、レチノールだけでなく鉄や銅も何から摂るのか、悩むことになると思います。
犬に鶏や豚の肝臓をお使いになる場合は、レチノール量が牛の肝臓の10倍以上ですから、量には気をつけましょう。

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