わんにゃんテーブル

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 犬の心臓血管系疾患

 「小動物の臨床栄養学」より

・ 慢性的な弁膜性心疾患は、相対的に小型犬に多い。
・ 拡張型心筋症は、大型犬、特に雄に多発する傾向がある。
・ 心膜滲出のリスクは、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、ジャーマンシェパード、ジャーマンショートヘア・ポインター、秋田犬に多い。

■ 高血圧
・ 中年期〜老齢期(犬では9歳、猫では15歳)で、高血圧になる場合が多い。
・ 末梢の脈の強さでは、全身性高血圧を判断できない。
・ 非協力的な不安感のある動物では、病院内での血圧の測定値が高くなることがあり、正常値を反映しない。
・ 網膜の出血、剥離は、心臓血管系の最初の徴候であることが多い。
・ 日常的な眼底検査が必要である。

■ ナトリウム
・ 心疾患の動物では、過剰なナトリウムを排出する能力を失う。
・ 塩化ナトリウムの含量が低いフードが、犬の初期の心疾患の進行を遅延させることを証明した証拠は、現在のところ僅かか、あるいは全くないが、疾患の早期から塩化ナトリウムの過剰摂取を避け始めるという賢明な推奨がなされている。
・ 過剰な塩化ナトリウムを避けることが有害であるということは示されていない。
・ 心臓の拡張がエックス線写真やエコー検査で明らかになれば、低ナトリウム食に分類されるフードが適切である。
・ 中程度から重度の心拡大やうっ血の場合は、ナトリウム濃度が低いまたは厳密に制限した食事が適切である。
・ 過剰な塩化ナトリウムを避けることは、慢性気管支炎や喘息のような慢性呼吸器疾患でも重要な場合がある
・ 水は、ナトリウム・クロール・その他のミネラルの供給源として重要である。自治体に問い合わせて、住んでいる地域の水道中のミネラルの含量を知っておくことは必要である。
・ 進行した心疾患、心不全の場合は、蒸留水またはナトリウム濃度が150ppm以下の水が推奨されている。
・ 市販のスナック、トリーツは、塩化ナトリウムの含量が高いことが多い。
・ 市販の生皮ガムは過剰なナトリウムを含んでいない。

■ カルニチン
・ 心筋中のカルニチン欠乏症の犬は、L- カルニチン 50〜100mg/kg体重を1日3回 経口投与することが推奨される。
@はなから 高用量ですので、獣医さんに相談した方がいいと思います。

■ タウリン
・ 犬では、タウリン欠乏症と拡張型心筋症の関連性は、アメリカンコッカースパニエルとゴールデンレトリーバーで最も強い。
・ タウリン欠乏症の犬には、500〜1000mgのタウリンを1日2回経口投与する。
・ 犬ではタウリン補給が必要な期間は、今のところ不明である。
・ 心疾患用のフードで、大量のタウリンを既に含んでいる場合は、さらにタウリンを補給する必要はない。

■ カリウム・マグネシウム
・ カリウム・マグネシウムの枯渇は不整脈を引き起こし、心筋の収縮性を低下させ、筋力を低下させ、強心配糖体や心臓治療薬の副作用を引き起こす可能性がある。
・ カリウムとマグネシウムの枯渇を判断することは難しい。
・ 血清中のカリウム・マグネシウム濃度は、常に生体内の量を反映するとは限らない。
・ 利尿薬を与えている場合は、適切な量のカリウムとマグネシウムを与える必要がある。

■ リン
・ 進行性の慢性腎疾患、腎不全は、心臓血管系疾患を持つ特に老齢の犬猫で頻繁に生じる。
・ 慢性腎疾患の患者では、リンの過剰摂取は避けるべきである。

■ オメガ3脂肪酸
・ 悪疫質を伴う心不全患者では、オメガ3脂肪酸は有効かもしれない。

■ 肥満
・ 肥満は、心臓血管系の障害を複雑にする。
・ カロリー制限食で管理する必要がある。

推奨レベル

【ナトリウム】
塩化ナトリウムの過剰摂取を避ける。ナトリウム 0.07〜0.25%

【カリウム】
≪低カリウム血症≫
特に低カリウム食を与えている患者に、ループ利尿薬またはサイアザイド系利尿薬を投与すると生じる。
 → 経口的なカリウムの補給。カリウム濃度の高い食事に変更。

≪高カリウム血症≫
特にカリウムを多量に含む食事を与えている患者、あるいは急性尿毒症の患者では、ACE阻害薬、カリウム保持性利尿薬の使用によって生じる。
 → カリウムの補給を中止。
   カリウム保持性利尿薬から、ループ利尿薬またはサイアザイド系利尿薬に変える。
   カリウム濃度の低い食事に変更。

【マグネシウム】
≪低マグネシウム血症≫
特に低マグネシウム食を与えられている患者では、利尿薬の使用によって生じる。不整脈を引き起こす傾向がある。
 → 経口的なマグネシウムの補給。マグネシウム濃度の高い食事に変更。

【リン】
≪高リン酸塩血症≫
慢性腎不全によって生じる。
 → リンの過剰摂取を避ける。0.2〜0.3%

【タウリン】
≪アメリカンコッカースパニエル≫
 → 500mgのタウリンを1日2回経口投与。タウリン濃度が高いフード(心臓病用)を使用。

【カルニチン】
≪拡張型心筋症≫
50〜100mg/体重のLカルニチンを1日3回経口投与。
@はなから 高用量ですので、獣医さんに相談した方がいいと思います。

%は、すべて乾燥重量あたりです。

この数値を参考にレシピを作りたい場合は、「結果」シートの「疾患別推奨量」の枠内に下の図のように入力します。「%」は入力しなくても、数字を入力すれば出てきます。

犬の心臓血管系疾患用推奨レベル

これ以外の栄養素については、他の基準を参考にすることになると思います。

  

 リチャード・H・ピトケアン著「イヌの健康ガイド」より

・ 肉は生で。
・ 塩やしょうゆなどの調味料を加えない。
・ 湧水、塩素処理やフッ素添加されていない水を与える。
・ 太りすぎている場合は、心臓の負担を減らすために減量する。
・ 過渡に興奮しない程度の運動(定期的な散歩が理想的)
・ タバコの煙を吸わせない。

■ ビタミンBコンプレックス
 ナイアシンとピリドキシン(B 6)の入ったビタミンB複合体(コンプレックス)を与える。
  小型犬(9kg未満)  10mg/日
  中型犬(9〜18kg)  25mg/日
  大型犬(18kg以上)  50mg/日  ビタミンB

■ キレート化された亜鉛
  小型犬(9kg未満)  5mg/日
  中型犬(9〜18kg)  10mg/日
  大型犬(18kg以上)  20mg/日

@はなから
「キレート化」とは、鉱物性の物質を体が吸収できるように加工処理することです。ミネラルサプリメントはキレート化されていないと、体はほとんど利用できません。○○酸亜鉛とか、書いてあったりします。

■ クロミウム(クロム)とセレニウム(セレン)を含むトレースミネラル補助食品
ラベルに書いてある人間の推奨量を、犬猫の体重に合わせて換算する。

@はなから
セレニウムについては、まだ情報不足のようで、安全な量は確立されていないそうです。人間では、300mcg/日以上摂らないように薦めています。(アール・ミンデル著「ビタミン・バイブル」より)

 本村伸子著「ペットの老後を健やかに!」より

・ 肥満は心臓に大きなストレスになり、適切な呼吸を妨げる。
・ 定期的な運動と、適切な食事管理を行うことが大切。
・ 犬と猫には冠状動脈疾患がないので、「心筋梗塞」は極めてまれである。
・ L- カルニチンの添加 犬種によってはタウリンの添加
・ コエンザイムQ10 の添加
・ ビタミンEの添加 血液の循環を良くし、抗酸化作用もある。
・ ビタミンCの添加 心筋症の場合には、心筋細胞に水銀などの重金属が蓄積していることがある。ビタミンCは、重金属を排泄してくれる。
・ 拡張型心筋症になりやすい大型犬、コッカースパニエルでは、定期的な心臓の検査を。
・ キャバリアは先天的に「僧帽弁閉鎖不全症」を持っている可能性が高い。

 ドナルド・R・ストロンベック著「犬と猫のための手作り食」より

■ カルニチン
・ 動物はリジンとメチオニンからL- カルニチンを合成する。
・ カルニチン欠乏症は、拡張型心筋症のボクサー、ドーベルマン、アメリカンコッカースパニエルの心臓の病気と関連している。
・ カルニチン欠乏症の診断は難しい。血漿中のカルニチン濃度が、必ずしも心筋のカルニチンレベルを反映していない。
・ カルニチン欠乏症の原因はわかっていないが、L- カルニチンの経口投与で症状が著しく回復する場合もある。
・ カルニチン欠乏症は、L- カルニチンを1日3回、2g/回を食事に混ぜて経口投与して治療する。ほとんど有害な副作用はないと思われる。
・ カルニチンを多く含む食事で予防できる。カルニチンは赤身肉、乳製品に多く含まれる。植物性食品には含まれていない。
・ 穀物中心のフードは、心筋の適切なカルニチンレベルを維持できそうにない。
・ カルニチンは、水溶性で熱に弱い。

@はなから
食品のカルニチン量を調べようとしたんですが、まちまちで、正確なところはわかりませんでした。ジンギスカン屋さんは、羊肉にはこんなに多いんだーとか書いてるんですけど・・・「カルニチン量 100g」で検索してみてね。

■ ナトリウム
・ 低ナトリウム食が推奨される。
・ 利尿剤は、低ナトリウム血症を起こすかもしれない。神経病学的な徴候が現れる。
・ 最初に低ナトリウム食を試し、食事療法だけではうまくいかない場合にのみ利尿剤を使用する。

■ カリウム
・ 心臓病の動物では、一般的にカリウムが枯渇している。
・ 低ナトリウム食は、腎臓でのカリウム排出を促進し、低カリウム血症になるおそれがある。
・ 低カリウム血症は、強心配糖体のような薬の毒性を増加する。
・ 低カリウム血症は、抗不整脈剤の効果を低減する。
・ 血漿中のカリウム濃度が増加している場合は、食事のカリウム濃度は低くしなければならない。

■ マグネシウム
・ 食欲不振や、利尿剤・その他の薬のために、マグネシウムが不足している場合がある。
・ 血漿中のマグネシウムレベルでは判断できない。筋肉の生検による測定は、総マグネシウム量を反映している。

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