わんにゃんテーブル

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 猫の糖尿病

 「小動物の臨床栄養学」より

■ 水
・十分な量の飲み水を用意しておく。

■ エネルギー
・ 体重減少・体重増加が続くなら、エネルギー量が不適当というより、管理できていない糖尿病、甲状腺疾患、リンパ形質細胞性腸炎(猫)、副腎皮質機能亢進症(犬)のような併発疾患のためといえよう。
・ 糖尿病の管理が不完全な場合は、偽甲状腺機能低下症候群のために、基礎代謝率が実際に減少していることがある。偽甲状腺機能低下症候群の存在を十分に考え、甲状腺機能低下症と誤診しないよう注意が必要である。
・ 過渡にやせてしまう動物では、体重が増加するようにエネルギー密度を高めなくてはならない。繊維は10%未満に抑える必要がある場合もある。

■ たんぱく質
・ 糖尿病では糸球体腎症があるため、尿中のアミノ酸排泄が増加していることがある。
・ 尿中のアミノ酸排泄に見合うように、また過剰なたんぱく質で腎障害を助長しないように配慮しながら、要求量を満たす質と量のたんぱく質を与える。
・ 真のたんぱく質消化率85%以上のもので、猫では28%以上(乾物あたり)を与える。

■ 炭水化物
・ 人間の糖尿病の食事療法では、炭水化物の組成と量は議論されているところである。
・ 犬と猫の糖尿病に対する炭水化物の組成の影響は、ある程度研究されているが、絶対量については完全にはわかっていない。
・ 腸での加水分解に抵抗性のあるデンプン(抵抗性デンプン)は、人間で食後の血糖値上昇を抑える可能性が示されており、犬と猫においても有用性が証明されることが考えられる。
・ 果糖はコーンシロップの形で、セミモイストフードに保湿剤として使われている。
・ 糖尿病の猫には果糖の使用は避けるべきである。猫ではフルクトース代謝が全く行われないので、果糖不耐性と多尿、腎障害が起こる可能性がある。
・ セミモイストフードは、果糖以外にもプロピレングリコールなどを含むため、ドライフードに比べ血糖値を上昇させやすい傾向にある。
・ 犬と猫では、セミモイストフードは避けるべきである。

■ 繊維
・ 理想的な繊維含量は確立されていないが、不溶性あるいは可溶性繊維を8〜17%(乾物あたり)与えることは、食事管理の助けになることは明らかである。
・ 一部の可溶性繊維、可溶性/不溶性混合物は、ある種の栄養素の小腸での消化を低下させることがあるが、腸全体の消化能には影響しない。
・ 糖尿病の犬猫では、繊維の使用により便秘がおこりやすくなるので注意が必要である。

■ 脂質
・糖尿病の犬と猫では、脂質代謝異常は、血中トリアシルグリセリド、コレステロール濃度の上昇として表れる。
・膵炎を併発することも多い。
・過剰な脂肪摂取は避けるべきである。

■ オメガ-3脂肪酸
・人間の糖尿病患者にn-3脂肪酸を補助的に投与すると、一般に高密度リポ蛋白濃度が高くなり、血液粘稠度が改善(低下)、トリアシルグリセリド濃度が低下し、血圧が降下することがわかっているが、同時に、血糖値コントロールが悪化、アポリポ蛋白濃度上昇、コレステロール濃度の上昇などの報告がみられ、人間の糖尿病例でのオメガ3脂肪酸の利用については熱が冷めてきている。
・犬と猫では、粥上硬化性動脈瘤は重大な問題ではないため、オメガ3脂肪酸の利用は、血糖値コントロールの問題がある以上、あまり有益なものとは考えられていない。

■ ミネラル
・ 尿量増加があると、ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウムとリンの強制的排泄が増加することがある。
・ マグネシウムは、ブドウ糖の恒常性維持に不可欠であるが、一般にはマグネシウム欠乏は糖尿病の結果であるとされている。食事にマグネシウムを補給しても、糖尿病の徴候は軽減されない。
・ 重度のマグネシウム欠乏を伴う糖尿病では、治療の一環としてマグネシウムの補給が必要になる場合がある。
・ 腎障害がない犬と猫では、リンの欠乏を避けるために十分な量を与える必要がある。
・ 腎障害を持つ場合は、リンの過剰摂取は避けるべきである。
・ 糖尿病の犬と猫における微量ミネラルの利益については、確証は得られていない。AAFCOの推奨量を摂取していれば、ほとんどの糖尿病の犬・猫には十分と思われる。

推奨レベル

【水】
常に新鮮できれいな水を与える

【エネルギー】
肥満動物では減量のためにエネルギー摂取制限を行う
食事のタイミング(エネルギー摂取)はインスリン投与と同調させる

【可溶性炭水化物】
単純糖類を制限し、複合炭水化物を給与。複合炭水化物 20〜40%

【食物繊維】
繊維の多い食事を与える。8〜17%

【脂肪】
食事中脂肪は中から低であること。20%以下

【たんぱく質】
たんぱく質含有中程度の食事を与える。28〜45%

%は、すべて乾燥重量あたりです。

この数値を参考にレシピを作りたい場合は、「結果」シートの「疾患別推奨量」の枠内に下の図のように入力します。「%」は入力しなくても、数字を入力すれば出てきます。

猫の糖尿病用推奨レベル

これ以外の栄養素については、他の基準を参考にすることになると思います。

 リチャード・H・ピトケアン著「ネコの健康ガイド」より

・ 通例、インシュリン投与およそ12時間後に1日1回食べさせるだけに制限される。
・ 大量の食事を1日1回与えるよりも、新鮮な生の食品を2〜3回に分けて与える方がうまくいく場合もある。
・ かかりつけの獣医と相談して、最良の給餌頻度をいろいろ試してみるべきだ。
・ セミモイストのドッグフードは避けること。(糖に似た炭水化物が保存料として大量に使われている)
・ ビール酵母を毎食小さじ1〜大さじ1与える。(クロムが血中グルコースを効果的に使えるように支援する)
・ ビタミンEはインシュリンの必要量を減らす。25 IU/日 与える。
・ 定期的な(不規則でない)運動を継続してさせる。
・ 体重を正常に保つ。

■ 重度の糖尿病
・ 糖を含む食品を厳密に避け、脂肪の摂取を減らす。(膵臓にかかるストレスを減らすため)
・ 有益な食物
  ・キビ、米、オート麦、ひきわりとうもろこし、ライ麦でできたパン
  ・豆類(さやにインシュリンと関係の深いホルモンが含まれている)
  ・かぼちゃ、アルファルファもやし、とうもろこし、パセリ、たまねぎ
  ・アーティチョーク、にんにく(新鮮なまま、またはカプセル)
  ・牛乳や乳製品を生で
  ・旬の果物(天然の果糖を利用できる)他の食物とは別に与える

@はなから
「たまねぎ」とありますが???にんにくも注意が必要食べさせてはいけないもの

 本村伸子著「胃腸が弱いではすまされない!」より

・ 十分な量の水分を補給する。水分の豊富な生野菜を十分与える。
・ 1回の食事量を制限して、数回に分ける。
・ 肥満に注意。食物繊維を多く摂る。
・ 質の高いたんぱく質を与える。脂肪量をある程度控える。
・ ミネラルサプリメントを与える。(亜鉛、マンガン、マグネシウム、クロム、バナジウム)
・ 消化酵素・すい臓グランデュラーを利用する。
・ 半生タイプのフードを与えない。水分を保つために多量の砂糖が使用されている。

 ドナルド・R・ストロンベック著「犬と猫のための手作り食」より

・糖尿病の食事は、糖質を少なくすべきだと言われていたが、もはや正しいとは考えられていない。
・しかし、猫は50%もの複合糖質を含む食事を摂るようには作られていない。
・猫の場合は、どんな特別な食事も、糖尿病を治療するのに利点があるという証拠もない。
・糖尿病では食物繊維をしっかり摂ることが推奨されているが、猫の糖尿病の治療に食物繊維が利点があるという証拠はない。
・また、猫は繊維の多い食事を好んで食べない。

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